FXの相場には、一定の周期があり、それらを分析する方法として「サイクル理論」という考え方があります。
サイクル理論は具体的に通貨ペアどのような局面に置かれているのか、今後起こると予測される展開をある程度にまで絞り込むことができる点において優れており、比較的長時間のトレードに向いていますが、いくつかの問題点もあります。
そこで今回のブログ記事では、サイクル理論について紹介します。
サイクル理論とは
サイクル理論とは、相場が安価をつけることには一定の周期がありますよという理論のことです。
相場が上がったりと下がったりを繰り返し、安価から安価までを1サイクルと捉えます。
一定の周期で繰り返されるサイクルを、過去のサイクルの周期から今後の動きやタイミングを読み、法則性を見出して活用できるようにしたものがサイクル理論なのです。
1サイクルの定義である安価とは、周囲を見た時に目立っているレートのことを指しており、底ともいいます。
サイクル理論は、レイモンド・A・メリマンさんが公表したテクニカル分析のひとつで、過去に起きた現象が繰り返されることを逆手に取ったトレード手法です。
トップ(高値)と、ボトム(安価)がローソク足の本数によって繰り返される規則性を利用し、トレードを行います。
ローソク足とは、始値・高値・安値・終値を視覚的に表すことで、一目で値動きの推移を把握できるのがローソク足の特徴です。
サイクル理論の周期
相場には、一定の間隔で周期的に生じるサイクルがあり、そのサイクルにはさまざまな種類があります。
サイクルの種類は、短期から長期までその時間軸の長さによって7種類に分けられます。
なお、周期は必ずしも規則的に発生するものという訳ではなく、サイクルによって誤差が生じることがあるということを知っておきましょう。
長期サイクル(Extended Cycle:EC)
長期サイクルは年単位での周期となり、通貨ペアによっては大きな差が生まれるため、40ヵ月から100ヵ月までの周期があります。
また、長期であるためにバラつきも大きく、80ヵ月のサイクルの後に50ヵ月のサイクルになるというような展開もあります。
そのような通貨ペアの場合には、長期サイクルよりもさらに長い大規模なサイクルがあると考えるのが妥当です。
サイクルの規模から、トレードに活用するというよりも、流れを認識するためのサイクルと言えるでしょう。
中期・季節サイクル(Seasonal Cycle:SC)
中期・季節サイクルは十数ヶ月から2年までの周期です。
長期サイクル中に2から5回ほど周期することが多く、どの通貨ペアでもそれなりに周期性がみられます。
長期サイクルと同様に、トレードに活用するには周期が長いため、中期・季節サイクルも存在を確認するためのサイクルといえます。
ブライマリーサイクル(Primary Cycle:PC)
プライマリーサイクルは、だいたい18から30週規模の周期です。
プライマリーサイクル中に2から4回のメジャーサイクルで構成されており、プライマリーサイクルが2から5回で中期サイクル1回分を構成しています。
週足チャートのボトムで確認することが多く、ボトムをつけていないことがあるため月足では確認できないことがあります。
スイングトレードを行う場合、影響を及ぼしてくるサイクルです。
メジャーサイクルは、20から35日までの周期です。
メジャーサイクル中に3から4回のアルファサイクルで構成されており、1日ごとにボトムが確認できるため、トレードに応用するにはプライマリーサイクルと組み合わせて判断基準とするケースが多いです。
また、メズアーサイクルが本来よりも長期となった場合にはハーフプライマリーサイクルと呼ぶこともあります。
トレーディングサイクル(Trading Cycle:TC)
トレーディングサイクルは、10日から18日程度の周期です。
メジャーサイクル中にトレーディングサイクル2から3回構成のパターンが大半で、ハーフプライマリーサイクルが形成された時にはトレーディングサイクル4回というようなパターンがあります。
アルファサイクル・4H(Alpha Cycle:AC)
アルファサイクルは、5日から10日程度の周期です。
アルファサイクル中に4時間足60から80本で形成され、小さい周期となっていますのでデイトレード向けのサイクルと言えます。
1dayサイクル(One Day Cycle:OC)
1dayサイクルはその名称通り、1日周期です。
周期の数え方
周期は、ローソク足と呼ばれる始値から終値までの動きが一目で分かるように図形で示したもので数えられます。
ローソク足には、その日1日の変動を示す「日足」、1週間を示す「週足」、1か月を示す「月足」、1年を示す「年足」、4時間を示す「4時間足」などの種類があります。
サイクルの周期ごとのローソク足は、プライマリーが「週足」で15から21本前後、メジャーが「日足」で35から45本前後、アルファが「4時間足」で60から80本前後になるといわれています。
サイクル理論のルール
サイクル理論には、「ライトトランスレーション」と、「レフトトランスレーション」という、2種類のパターンがあります。
ここからは、それぞれについて説明します。
ライトトランスレーション
ライトトランスレーションとは、サイクルがスタートした時点でのボトムよりも高い位置で次のボトムを作ることで1つのサイクルを終了させた形のことです。
サイクル中、相場が上がる期間が長く下がる期間が短いことで、トップが中央よりも右側にずれた形になります。
ライトトランスレーションになる場合は、上昇する期間が長いことから「買い」の優位度が高くなるといえます。
レフトトランスレーション
レフトトランスレーションとは、ライトレーションとは逆で、サイクルがスタートした時点でのボトムよりも低い位置で次のボトムを作ることで1つのサイクルを終了させた形のことです。
サイクル中、相場が下がる期間が長く上がる期間が短いことで、トップが中央よりも左側にずれた形になります。
下降トレンドで見られやすい形ですので「売り」の優位度が高くなるといえます。
まとめ
相場には一定の周期があり、ボトムからボトムの1サイクルの法則性の事をサイクル理論といいます。
サイクルを知ることで次のタイミングを予想することができるのですが、必ずその予想通りになるとは限りませんので、サイクル理論だけでのトレードはおすすめしません。
何事も新しいことを始めるときにはある程度の勉強は必要ですよね。
Webサイトなどを見て独自に勉強することも大切ですが、その分野の先生がいると知識と経験を積むことができるでしょう。