FXとは「Foreign Exchange」の略語で、つまり「外国為替」という意味があります。
初心者の方には難しいそうに思われがちですが、実はその仕組みはいたってシンプルです。
海外旅行にいくと「日本円をドルなどの外貨に換える」といった取引をするかと思います。
こうした外貨との取引がFXの基本となります。
ハードルが高いと思っていた方も、少しイメージが湧いてきたのではないでしょうか?
この記事では、初心者の方にも分かりやすくFXの仕組みと、取引のメリットやデメリットなども合わせて解説していきます。
仕組みを知ることがFXへの最初の1歩
FXとは、Foreign Exchange(外国為替)の略で、「外国為替証拠金取引」といわれています。
この外国為替取引とは、ある国の通貨を別の通貨に換金することをいいます。
例えば、旅行に行ったとき、日本円を海外のお金に換えることがあるでしょう。
こうした通貨の交換によって利益を狙うのがFXの特徴です。
利益が出る仕組みについては、後ほど見ていきましょう。
FX取引には、異なる2国間の通貨を交換して行うのが基本です。
これを「通貨ペア」と呼び、日本円と米ドルの場合は「日本円/米ドル」と表記されます。
この通貨ペアは、日本円だけでなく、他の外国通貨と組み合わせて取引することもできます。
FXの最大の魅力は「レバレッジ」
FXの最大の魅力といえるのは、レバレッジという仕組みです。
レバレッジとは「テコの原理」のことで、証券会社に預けた少額の証拠金(資金)をもとに、何倍もの大きな金額の取引ができることをいいます。
手持ちの資金よりも大きな金額で取引できるため、レバレッジの倍率が大きいほどハイリターンが狙えるようになります。
FXでは、最大25倍のレバレッジを掛けることができます。
通常では、1米ドル=100円のとき、1,000ドルの通貨を購入しようとすると、
【100円×1000倍=10万円】の資金が必要です。
しかし、レバレッジ25倍を利用すると、【10万円の25分の1の価格=4,000円】となり、4,000円という非常に少額から取引ができるようになります。
少ない資金で高い利益を狙えるため、資金効率が高いという点もFXの魅力といえるでしょう。
ただし、大きなリターン狙える反面、リスクも大きくなるのが投資です。
投資した金額の何倍もの損失が出る可能性もあるため、十分なリスク対策はもちろん、初心者の方は少額からスタートすることをおすすめします。
証券会社とは
FXを利用するためには、証券会社やFX専門の取引業者を選定する必要があります。
現在のFXでは、Web上からの申込でFX口座を開設できる会社がほとんどです。
ただし、FXにかかわる取引手数料や、最小取引単位、取り扱っているペア通貨の種類などは、会社によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
一般的には、取引手数料が無料のケースが多く、最小取引単位は1,000通貨または10,000通貨に設定されています。
証拠金とは
FXを行うには、証券会社やFX会社で専用の口座を解説して、資金となる「証拠金」を預ける必要があります。
証拠金は「担保」という位置付けとなっており、取引する会社に投資用の金銭を預け入れるというイメージです。
取引総代金の4%にあたる金銭を「必要証拠金」と言い、取引を開始するにあたり最低必要となる預託金を差します。
レバレッジの倍数や取引数量などによって異なるため、事前にシミュレーションしておくのが安心です。
日本円と米ドルで見る、FXの仕組み
2か国間の通貨を交換することで利益を得るFXですが、 どのような仕組みとなっているのでしょうか。
とくに初心者の方は難しい印象を抱きがちですが、FXで利益を得る仕組みは、海外旅行のときの「外貨交換」と変わりません。
海外へ出発時に外貨を交換し、帰国後に日本円に両替するとき、為替レートによって外貨よりも日本円が多く戻ってきた経験はありませんか?
こうした為替変動によって生まれる価格差で、利益を狙う取引がFXなのです。
例えば、為替レートが【米1ドル=100円】のときに、10万円で1,000ドルを購入し、【米1ドル=110円】に変動したときに売却したケースを見てみましょう。
■買うとき(1ドル=100円)
10万円 ➡ 1,000ドル
■売るとき(1ドル=110円)※為替レートが10円アップ
1,000ドル ➡ 11万円
10万円で購入した1,000ドルが、売る時には11万円になって返ってきました。
このように、為替レートによる利益を「為替差益」といい、このケースでは1万円の為替差益が得られたことになります。
為替レートの値は、需要と供給によってバランスが保たれています。
景気や世界情勢などによって上がったり下がったりするため、円安・円高による為替レートをチェックしておくことが重要です。
スワップポイントの利益も期待できる
FXでは、為替差益による利益だけでなく、異なる通貨の金利差分である「スワップポイント」がもらえるのも大きな特徴です。
スワップポイントとは、異なる通貨の金利差によって発生する利益のことをいいます。
低金利の通貨と、高金利の通貨で売買したとき、保有している通貨を決済するまで毎日スワップポイントを受け取ることができます。
高金利の通貨にはトルコのリラが挙げられますが、低金利の日本円を売って、トルコリラを購入することで、このスワップポイントによる利益が得られます。
ただし反対に、高金利の通貨を売る・低金利の通貨を買う場合は、スワップポイントの支払が必要になります。
FXのメリット
為替差益やスワップポイントによって利益を狙えるFX。何よりメリットといえるのは、やはりレバレッジによって多額の資金を動かせる点です。
数万円~の少額の資金で、何倍もの金額の投資が可能になるため、より効率よくリターンを狙えるというメリットがあります。
取引の対象となるのは「通貨」のため、株式投資や投資信託のように、膨大な商品や銘柄の中から投資先を選ばなくてもスタートできます。
主要通貨はドル、ユーロなどに限られているため、初心者の方にも選びやすいといえるでしょう。
また、口座開設から取引までのステップが少なく、早ければ申込した当日中に取引をスタートできる会社もあります。
まとまった資金がない方も、FXであれば気軽に運用できるでしょう。
FXにデメリットはある?
ハイリターンが狙えるFXですが、為替が想定外に変動して、投資資金がゼロになる可能性も考えなければなりません。
レバレッジの倍率を高く設定しすぎると、膨大な損失を出してしまうこともあります。
初心者のうちは、大きく儲けるというよりも、コツコツ堅実に増やすことを意識しましょう。
また、FX大切にしなければならないのが、「自身が投資した資産よりも増えているか」という判断です。
複数の通貨ペアで保有している場合、各ポジションに気を配ることも大切ですが、トータルで見た時に負けが大きいと、結果的に損失を出してしまいます。
大損とならないうちに、損切りする勇気も大切です。
自分のなかで、ここまで下がったら手放すというようになルールを設けるとよいでしょう。
為替ルートの変動に注視するのは必要ですが、値動きに一喜一憂するのは避けたいところです。
感情に流されてしまうと正しい判断ができなくなるためです。
リスクがあることを常に念頭においたうえで、適切な取引金額やレバレッジ倍数を選び、運用していきましょう。
リスクを抑えた運用を目指そう
FXは、少ない資金で大きなリターンを狙えるレバレッジが魅力的な投資方法です。
仕組みはとてもシンプルで、基本的な考え方は海外旅行に行ったときの外貨交換と同じものです。
為替差益の仕組みを理解すれば、初心者の方も比較的チャレンジしやすい方法といえるでしょう。
効率よく安定した収益を得るためには、まずは少額からスタートして、損失を極力回避できる運用を心がけることが大切です。
投資にはリスクが付きものですので、デメリットも踏まえたうえで、投資金額を選びましょう。