最近では「FIRE」という早期リタイアが注目されています。
「できるだけ早く仕事を辞めて資産運用で生活したい」と考えつつも「失敗したらどうしよう」という不安を持っているかもしれません。
夢のような生活は本当に実現できるのでしょうか。
そこでこのブログ記事では、FIREでのセミリタイアの失敗例や課題などをご紹介します。
50代独身がFIREでセミリタイアするために必要な貯金額は?
会社員の場合は一般的に60~65歳で定年退職を迎え、もし50代で退職すると10~15年程度前倒しになります。
この場合、どのくらいの貯金があれば暮らしていけるのでしょうか。
セミリタイア後に必要な貯金額は、毎月の支出によって変わります。
贅沢な暮らしをしたいのであれば支出は膨れあがります。
一方で、質素な暮らしで満足するならば、生活費はそれほど必要ありません。
まずは、毎月かかる費用を計算します。
例として毎月30万円の支出があるケースを考えてみます。
50歳でセミリタイアして90歳まで生きるとすると、単純計算で1億4,400万円必要です。
ただし、65歳から支給される公的年金を差し引くとおよそ1億920万円となります。
したがって、50歳から90歳まで毎月30万円使って生活する場合、1億円以上の貯金が必要です。
しかし、資産運用を行うのであれば、より少ない貯金額でも生活できる可能性があります。
資産運用で年利4%を維持すれば必要な貯金額の目安は「年間支出の25倍」だといわれています。
例えば年間支出が仮に250万円なら、6,250万円の資産を築いて年利4%で運用すれば、理論上は資産を維持したまま生活できるということです。
自分の年間の支出額を調べて、25倍の金額を確認してみてください。
女性でもセミリタイアできる?
以前は、セミリタイアをする方の多くは男性でした。
男性でなければ、セミリタイアに必要な資金を得るのが難しかったからです。
しかし現代において、女性の社会進出の高まりからセミリタイアできるほどの資金を貯められるようになりました。
加えて支出も、美容費や女性特有の医療費などを除けば、男性とそれほど変わらないことはうなづけます。
FIREに性別は関係ありません。
こんなはずじゃなかった!?セミリタイアの失敗例
前述のように、それほど贅沢な生活を送らなければ、1億円以下の貯金額でもFIREできる、セミリタイアへの希望が見えることがわかりました。
しかし、セミリタイアが必ず成功するとはいえません。FIREを検討する前に、失敗例を知っておくことで未然に防ぎましょう。
失敗例①資金が足りなくなる
セミリタイアの失敗として最も心配なのが、資金が足りなくなることです。たとえば、贅沢をしすぎて資金がなくなるというケースがあります。
セミリタイアに向けて多大な資金を作ったことに安心して、浪費してしまう方もいます。
仕事を辞めたことで時間ができて頻繁に海外旅行に行ったり、ブランド物を大量にコレクションしたりするようになると、あっという間に資金は底をつきます。
失敗例②人間関係がうまくいかない
セミリタイアした後の人生をゆっくり過ごすために、田舎に移住する方は少なくありません。
初めは、都会の喧噪から離れた田舎での生活にワクワクすります。
しかし、移住先での人間関係が必ずしもうまくいきとは限りません。
近所の人との結びつきが強い地域の場合、輪に入れずうまく馴染めないことも。
都会での生活であまり人と関わっていなかった場合は、疎外感を覚えることもあります。
セミリタイアの課題とは
働かなくても生活できるセミリタイアはとても魅力的ですが、良いことばかりではありません。
理想的な部分ばかりに目を向けるのではなく、課題も理解しておくことです。
仕事になかなか戻れない
セミリタイアによって仕事を辞めた後に、お金の使い方を間違えてしまうと、資金が底をつきセミリタイヤ生活に終止符を打つことになります。
贅沢をしていなかったとしても、病気などにより大きな出費が重なる可能性も。
資金が足りなくなれば、再び就職してお金を稼ぐ必要があります。
しかし、すぐに新しい仕事が見つかるとは限りません。
40代や50代の方が仕事を見つけるのは、困難です。
ブランクが長いほど、社会復帰は難しいといえます。
孤独になりやすい
「お金で幸福な人生が変えると思ったが友だちや家族がいなかった」という話を聞いたことはありませんか。
仕事を辞めると、職場の同僚や部下、取引先の人との関係が途切れます。
もちろん連絡を取り続けることはできますが、毎日職場で会っていたころと比べると、人間関係は薄くなります。
よって、セミリタイアをした方は孤独になりやすいのです。
後悔しないために。セミリタイアを成功させるポイント
セミリタイアによる課題を知らなければ、後悔してしまうかもしれません。
失敗しないためには、よく考えてからFIREする必要があります。
ここからは、セミリタイアを後悔しないためのポイントを解説します。
資金は十分に用意する
資金不足による失敗をしないためには、十分な資金を用意することが大切です。
生活ができるギリギリの貯金額で満足するのではなく、余裕を持って生活できるようにお金を貯めます。
思わぬ病気や事故などによる出費に備えてください。
投資などによって収入がある場合でも、収入が減ったりゼロになったりすることを想定します。
社会とのつながりを持つ
セミリタイアによって人との関わりが薄れると、社会から取り残されたような感覚になることがあります。
場合によっては、引きこもり状態になることも考えられます。
そこで、少しでも社会とのつながりを持ち続けるのがおすすめです。
たとえば、ボランティアサークルに入って活動したり、趣味の仲間を見つけて交流したりします。
働かないことにこだわらない
セミリタイアを考えている方の中には「今後は絶対に働かない」と決めている方がいるかもしれません。
しかし、いつどのような理由で資金がなくなるかは不明です。
よって「必要に応じて働くこともあるかもしれない」と考えておくことをおすすめします。
たとえば週に数回アルバイトをすれば、少し贅沢ができるかもしれません。
人と関わることで、孤独感を持つことの予防にもなります。
まとめ
FIREでのセミリタイアは魅力的ですが、失敗例もあります。
失敗して後悔しないように、入念に計画を立てた上で実行します。
セミリタイアを行う上で資産運用などについての勉強は必要です。
自分の力だけで知識を得るのが難しい場合は、資産運用のプロを頼って効率良く学ぶことをおすすめします。