FXについて調べている時に、「pips」という言葉を目にすることがあるのではないでしょうか。FXをしている場合、pipsは切り離せない言葉だといえます。
また、証券会社のサイトの中には、「スプレッドは0.2pipsです」のような文章が書かれていることがありますよね。pipsとは、一体何者なのでしょうか。
今回のブログ記事では、pipsの概要や通貨ごとの目安、計算方法などをわかりやすく解説します。
FXのpipsとは
pipsというのはFXで使用される単位です。「ピップス」という読み方で、「percentage in point」の頭文字に複数形の「s」を付けた形になっています。
具体的に何を意味する単位かというと、USD/JPY(ドル円)やEUR/USD(ユーロドル)といった通貨ペアの価格変動です。売買によって生まれた利益や損失を計算したり、買値と売値の差を算出したりする時に使用します。
pipsが生まれた理由
pipsについて知らなかった方の中には、「すでに円やドルなどの単位があるのに、なぜわざわざ別の単位を使っているのだろう」と思った方もいるでしょう。なぜpipsが生まれたのでしょうか。
そこには、FXで使用される取引通貨が多岐にわたるということが関係しています。証券会社によって差がありますが、FXでは30種類ほどの取引通貨を使用できます。よく取引されている通貨でも、5種類以上はありますよね。
そのため、通貨の変動状況をそれぞれの単位で表すと、とてもややこしくなるのです。たとえば、「ドル」にも「米ドル」や「豪ドル」などがあり、「○○米ドル変動」「○○豪ドル変動」といった表現をすることになります。
そこでpipsを導入して、あらゆる通貨の変動を、同じ単位で表せるようにしたのです。pipsを用いれば、「米ドルが○○pips変動」「円が○○pips変動」のように、統一感を持たせられます。
1pipの通貨ごとの目安
通貨ペアによって、1pip=いくらなのかは違います。そこでここからは、1pipの通貨ごとの目安をご紹介します。
USD/JPY(米ドル円)とクロス円
USD/JPY(米ドル円)とクロス円の場合、1pipは0.01円(1銭)です。ちなみにクロス円とは、「○○/JPY(○○円)」の右側が「円」の通貨ペアのことを指します。
つまりUSD/JPY(米ドル円)だけでなく、EUR/JPY(ユーロ円)やGBP/JPY(ポンド円)でも、1pipは0.01円(1銭)です。
ドルストレートなど
USD/JPY(米ドル円)以外のドルストレートや、それ以外の通貨ペアの場合、1pipは0.0001ドルや0.0001ポンドです。
ドルストレートというのは、米ドルが含まれている通貨ペアのこと。具体的には、EUR/USD(ユーロ米ドル)やGBP/USD(ポンド米ドル)などが該当します。
pipsを使った計算
では、pipsは具体的にどのような計算で使用できるのでしょうか。主に、以下の2つの計算で使えます。
損益
USD/JPY(米ドル円)の取引を行うシーンを想像してみましょう。
100.00円のタイミングに、新規で50,000ドル分買ったとします。そして、100.05円になったタイミングで決済を行うと、「100.05円-100.00円=0.05円」と計算できます。
0.01円=1pipなので、獲得したのは0.05円=5pipsだと分かりますよね。
さらに、50,000ドル分あるので、「5pips(0.05円)×50,000ドル=2,500円」と求まるのです。つまり、今回の取引によって2,500円の利益を得たと分かります。
投資効率
pipsを用いて計算することで、トレードを評価したり投資効率を比較したりできます。たとえば、USD/JPY(米ドル円)のトレードで、以下の2つのケースがあったとしましょう。
A:1ドルが100.00円のタイミングで10,000ドル分買った。そして100.50円の時に売る
B:1ドルが100.00円のタイミングで50,000ドル分買った。そして100.10円の時に売る
以上2つのケースを比べると、利益は5,000円で同じです。Aは「100.50円-100.00円=0.5円」、「0.5円×10,000ドル分=5,000円」。Bは、「100.10円-100.00円=0.1円」、「0.1円×50,000ドル分=5,000円」と計算できます。
しかし、買値と売値の幅をpipsで比べるとどうでしょうか。Aは50pips、Bは10pipsなので、Aのほうが、幅が広いことが分かります。
つまり、Aのタイミングで50,000ドル買っていれば5倍の利益を得られていたのです。結果として、Aのほうが投資効率が良かったということが判明します。
以上のように、pipsはさまざまな計算に活用できます。慣れないうちは時間がかかるかもしれませんが、コツをつかめばハードルは高くありません。損益や投資効率を知りたい方は、積極的に使用しましょう。
スプレッドにも使用されるpips
FXでpipsを用いるのは、損益などを計算するシーンだけではありません。「スプレッド」の単位としてもメジャーな存在です。
スプレッドというのは証券会社への手数料のようなもので、買値と売値の差を意味します。取引を行うと、通貨ペアの価格の影響で買値と売値の差が生まれますが、それは利用者の手元には入りません。証券会社のもとへ行き、証券会社の利益となるのです。
なお、スプレッドは差を意味する言葉なので、「安い/高い」ではなく「狭い/広い」と表現します。スプレッドが狭いほど手数料が安いという理解でいいしょう。
FXにあまりコストをかけたくないのであれば、できるだけスプレッドが狭い会社を選ぶのがおすすめです。資金があまり多くない初心者の場合も、狭い会社を選び、低コストで取引を行いましょう。
まとめ
FXのpipsというのは、各通貨の価格変動を表す単位です。FXを行っているとあらゆる場面で目にするので、なるべく早く理解することをおすすめします。使いこなせるようになれば、損益や投資効率などを分析したい時に役立つでしょう。
また、スプレッドを表す際に用いられる単位でもあります。コストをかけたくない場合は、スプレッドにも注目しましょう。
pipsの計算方法などが分からなければ、勉強する必要があります。効率良く知識を付けたい場合は、メンターのような人に頼ることをおすすめします。